舞台で『デカルチャー』を味わって欲しい。
河森:自分がTVシリーズの初代“超時空要塞マクロス”を作って、そのご褒美として劇場版の「愛・おぼえていますか」を作れることになったのですが、その時初めてアメリカに行って、初めてニューヨークでブロードウェイを見たんです。実はそれまでミュージカルには距離をとっていたんです、急に歌いだしたりする印象があって(笑)。生の舞台ってどんなもんだろうという感じで行って見たら、愕然として。『こんな面白いんだったらとっとと見とけばよかった!』と。そのせいか『愛・おぼえていますか』は、アニメや映画というスタイルよりも、舞台っぽい芝居立てや劇場っぽさを取り入れているんですよね。そういった意味で、アニメーションのマクロスをずっと見てくれた方々には生身でやるということのインパクトというか……舞台で『デカルチャー』を味わって欲しいと思いますね。ミュージカルには感情をそのまま台詞から歌にしていくタイプが多いのですが、“ザ・ミュージカルチャー”は既成の楽曲を必然的な場面で歌っていくというスタイルなので、普通のストレートプレイに歌が入っている感じです。だから、突然歌いだすのに不慣れな方にも違和感なく見ていただけると思います。だから是非会場に足を運んで欲しいし、舞台やミュージカルを見慣れている方には逆に、アニメーション的な手法や、珍しい世界観が新鮮に映ればいいなと、非常に楽しみにしてます。ここまで茅野さんに演出していただけて、とても嬉しいですね。